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2016.01.05

現在から考える「積み上げ型」と、未来から考える「ビジョン型」

2016 増上寺
 
あけましておめでとうございます!
 
地球は相変わらず自転と公転を繰り返して、太陽が昇ったり落ちたりを繰り返しているだけなのに、1日違うだけで、「今年」と「来年」と「昨年」の範囲が変わり、すごく気が引き締まったり、やたらと物思いにふけるというのは、人間の特権だよなあ。とか考えてしまうくらい、年末年始はぼーっと、のんびりしておりました。
 
今年もどうぞ、よろしくお願い致します。
 
*CINRAからの新年のご挨拶として、昨年実施したインタビューを集めた特設サイトをつくりました。ご覧いただけたら嬉しいです!
 
 
Facebookやブログで、たくさんの方々の昨年の統括や今年の抱負を拝見しました。ぼくも年末年始は一旦立ち止まって、これからとこれまでを確認する時間にしています。
 
そういう「今年の抱負」とか「今年の行動計画」みたいなものを考えるとき、2つのアプローチがあるんじゃないかと思っていて、新年らしく(なのか?)今日はそのことについて書いてみようと思います。
 
2つのアプローチというのは、
現在から考えるアプローチと、未来から考えるアプローチです。
 
 
まずは、現在から考えるアプローチ。
 
ある程度会社が継続したり、就職して長かったりすると、現在から「今年すべきこと」を考える方が簡単です。
 
「今回の売り上げはいくらだったから、次回はこれくらいを目指そう」
 
「今これが足りていなくてうまくいかないから、今年はこういう力をつけよう」
 
「ここが成長のボトルネックになっているから、今年はこうしよう」

 
といった具合です。
 
今、この状況にある課題や状況から、この先を考える。「積み上げ型」といってもいいかもしれません。
 
このアプローチは、企業の年数(経営者の場合は会社の年数、社員の人は勤続年数)が長ければ長いほど、現実的で、実利的な計画に落としこまれていくんだと思います。
 
 
もう一つの未来から考えるアプローチは、より根源的な問いをつきつけます。
 
「現在はさておき、本来自分はどうありたいか?」
 
「もしこの会社がなかったとして、自分は今何をはじめるか?」
 
「30年後の社会はどうなっていて、この会社はどういう存在でありたいか?」
 
「死ぬ瞬間に、どんなことを思っていたいか?」

 
などなど、視野が広いぶんワクワクするけど、ちょっと考えるのが面倒くさいときもあるアプローチ。「積み上げ型」に対する呼び名として「ビジョン型」と名付けます。
このアプローチは、未来を自分の力でつくっていくためにも必要不可欠です。
 
 
前者の、現在から考える「積み上げ型」は、今進んでいる道をより強く、より太いものにしてくれます
後者の、未来から考える「ビジョン型」は、今進んでいる道の方向を正してくれます
 
どちらも大事なわけですが、このバランス、結構むずかしいです。
みなさんどうしているんだろうといつも思います。
ややこしくしてるだけで、もっとかんたんなのかな。。。
 
積み上げ型が強く、ビジョン型が弱いアプローチで未来を考えると、これまでの経験則で未来を考えがちです。気づいたら本来自分が望んでいないところにたどり着いてしまうこともあるだろうし、ただ積み上げているだけでは、気づけば時代の変化についていけなくなってしまう可能性もあります。
 
一方、積み上げ型が弱く、ビジョン型が強いと、現在と目指したい未来が噛み合わずに、現実離れした目標を掲げて失敗してしまったり、実際のところただの現実逃避になってしまったりします。こうなると、行動計画を立てたはいいものの、ほとんどが実行されないで終わっていきます。
 
どちらの型に重心があるかは人それぞれです。実際、一つの組織を運営してみると、お互いにどちらかに偏った人たちが集まってきたりもするので、全体としてバランスがとれるということもあるのかもしれません。
 
 
ぼくの場合は、あまり頭の回転も早くないし器用でもないので、双方のアプローチを混ぜて考えることはできないです。なので、年末年始の休みを使って「積み上げ型で考える日」と「ビジョン型で考える日」という具合に時間も場所も分けて考えるようにしています(わりと几帳面です。。)。それを最後にがっちゃんこして、「今年これやろう!」を決めます。
 
 
(最後に飛び火しますが)今年の「ビジョン型で考える日」は、やっぱりAIのことを抜きには未来を考えられませんでした(WIRED日本版もちょうど今回AI特集で面白すぎた)。シンギュラリティは近い。人工知能にはない人間の知性とは何か、仕事がAIに代替されて労働の義務がなくなったら仕事はどういうものになるのかとか、自分や自社はその中でどういう形で人の役に立てるのか、とかとか。想像/妄想は止まりません。史上最高に文理の垣根がなくなって、楽しい世界になっていきそうでワクワクしてます。
 
 
みなさま今年もよろしくお願いします!