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2010.12.31

2010年に読んだビジネス書ベスト3
第1位『チェンジ・リーダーの条件』

こうしてベスト3を並べてみると、
鉄板続きで、まだまだ「名著」と呼ばれる本すら読めていないのと、
自分のミーハーっぷりが伺い知れます。

 
と、同時に、あまり知られていない本で、
この3冊以上に衝撃的だった本は少なかったなぁという印象。

 
ということで、第1位は、
鉄板度でいうとダントツトップ。

 
今年「もしドラ」旋風で大人気だったP.F.ドラッカーでございます。

 
『チェンジ・リーダーの条件』

DRUCKER.jpg

 

ぼくがドラッカーのことを初めて知ったのは、
『成功はゴミ箱の中に』という本の中ででした。

 

 

マクドナルド創業者のレイ・クロックの自伝なのですが、
その巻末にユニクロの柳井さんと孫さんの対談が載っていて、
そこで柳井さんがドラッカーのことを言っていて、
「いつか読も」と思っていたのでした。

 
全体から見たら、ぼくが日々実戦している「経営」というのは、
もうほんとにアリより小さくて、アリが運んでいるエサっぽいやつより小さいわけです。
マネジメントの「マ」の字にようやくしゃぶりついてるくらいなもんです。

 

それでもまぁ、
一応日々それなりに考えたり悩んだりしながらやってます。

 

「会社は何のために存在するのか?」
「利益ってなんなのか?」
「経営者と従業員は、どうはたらくべきなのか?」

 

というぼんやりとした命題に、ここまで明快な解を打ち出してくれる。
それもとてもわかりやすく。

 

「勉強になった」というか「安心」にも似た感情を感じたのが正直なところです。
ワラにすがりついたというか。笑

 

『チェンジ・リーダーの条件』に加えて、
『プロフェッショナルの条件』も最高でした。

 

まだまだ読めていないので、
来年も引き続きドラッカーを制覇していきたいところです。

 

2010.12.31

2010年に読んだビジネス書ベスト3
第2位『コトラーのマーケティング思考法』

第2位は、
マーケティングの鬼、フィリップ・コトラー先生による、
『コトラーのマーケティング思考法』

kotler.png

今年に入ってコトラーの本を何冊か読んだのですが、
この本は特にずば抜けていて、目からウロコ連発でした。

 
これまでのマーケティングの考え方やフレームワークを
「垂直思考(Vertical Thinking)」として、
それを越える枠組みとして、
「水平思考(Lateral Marketing)」というのを提示しています。

 
「垂直思考」が、顧客をセグメンテーションして、
市場のシェアを広げていくためのマーケティングだとすれば、
この「水平思考」は、市場自体のパイを広げていくためのマーケティング。

 
普通に考えれば、
市場自体のパイを広げた成功例というのは、
「マーケティング」よりも「アイデア」への期待の方が高いんだと思う。

 
「枯れない花」をコンセプトした造花が生まれたり、
「朝以外に食べるコーンフレーク」が生まれたり。

 

そんなポっと出て大成功したっぽい事象を(まぁそんなはずありませんが)、
すべて分解して論理的思考に体系化する。
つまり、誰でも応用できる武器に変換する。
「あぁ、このオッサン完全に天才だな」というかんじ。

 

 

唐突ですが、
ぼくは、CINRA.NETというWEBメディアをやっていますが、
その編集方針として意識していることがあります。

 

「縦割りの情報」ではなく「横割りの情報」でありたい。
ということで、それをスタッフと共有してきました。

 
「縦割り」の情報は「カテゴリーごとの情報」。
例えばポストロックとか、コンテンポラリーアートとか、WEBデザインとか、
そういう既存のカテゴライズとか、知名度に依存した情報。
この社会にあるほとんどの情報が、「縦割り」にされて発信されている。

 

 

カテゴリーやジャンルは、あった方がわかりやすいから、まぁ納得はできるけど、
そうやって情報が伝達されると、特定のセグメントの、
そのカテゴリーに住んでいる人たちにしか届かないから、拡張性が少ない。

 
一方「横割り」の情報は、「感性ごとの情報」。
たとえば「悲しい」という感性や経験はみんなが持っているもので、
それにあてはまる情報は、音楽にもアートにも存在する。

 
それらを一本の串でつなげると、ジャンルやカテゴリを越えられる。

 
そのためには、まず既存の情報を一回分解して、
個人的な「感性」に落とし込む作業が必要。
そして、それを普遍的な「感性」に持ち上げていく。
そういう編集が、人に新しい発見や喜びを提供できる、と。

 
そんな暑苦しい話しが、
この本ではものすごくロジカルに体系化されているもんだから、
このオッサンはやっぱり天才なワケです。

 

2010.12.31

2010年に読んだビジネス書ベスト3
第3位『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』

1年近く更新が滞りました!

 
ワタワタしているうちに、
今年ももう少しで終わりということで、
今年読んだ本のまとめでもしようかと!

 

 

「2010年に読んだビジネス書ベスト3」です。

 
ビジネス書に限定したのは、
ワン・ピースと伊坂幸太郎あたりでベスト3が埋め尽くされるからです。

 
さて、まずは第3位。
ご存知のシリーズの第3弾。

ジム・コリンズ著『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』

 

visionary3.jpg

 

第1弾のテーマが「時代を超える生存の法則」で、
第2弾が「飛躍の法則」、
そしてこの第3弾が「衰退のご段階」ということで、
まぁ毎回食い入るように読んでいます。

 
全く経営イメージがつかない大企業が事例に出ているんだけど、
それでも、すべてのシリーズで学ぶところが多い。

 
今回の「衰退の5段階」のキーワードになっていたのは、
「成功から生まれる傲慢」
「規律なき拡大路線」
などなど。

 
このキーワードを見るだけで、
なんとなく言いたいことはイメージできるわけだけど、
こうも統計学的に事例たっぷりで提示されると、説得力がものすごい。

 
ベンチャーの場合は、
傲慢なんていうのはあり得なくって、ともかく成長志向が強い。
でも、それが行き過ぎて、自分の価値を過信して
無秩序な拡大をしてしまったりする。

 
「もっと会社を大きくできたら改めて読み返したい本ランキング」では
1位になるかもしれません。