05 ETC…

2009.03.09

PVならぬ、ミュージックビデオ。

ミスチルの「くるみ」のPV。
in_055_tange_4.jpg
初めて見た時、
「なんだこれ?」って思って、
その後ずっと記憶に残っていた。
ひょんなことから、
他にも浜崎あゆみやコブクロ、山下達郎など、
多くのミュージックビデオをつくる、
丹下紘希さんにインタビューすることに。
丹下紘希(Mr.ChildrenなどPV監督)インタビュー
仕事に対する考え方が、
とってもステキです。
ごく個人的に、
「くるみ」のPV制作秘話を聞いてみました(笑)。
是非、ご覧ください!
===
cake.jpg
週末は、前回書いたトークショーに出席。
その後、久々に地元、幡ヶ谷に。
幡ヶ谷には小さなケーキ屋さんがありまして、
ここがまた、すっごくうまいんです。
タルトの生地が、
すっごくうまいんです。
CONCENT
※左が苺のタルト、右がモンブラン

2009.03.02

海老の華のキャッチコピー

ebi.jpg
海老の華
ぼくはあんまりセンベイが好きじゃないんですが、
これは、ほんと止まりません。
ネットで調べたら、
やっぱり知っている人は知っているようで、
ブログでもちょこちょこ話題になっていました。
コンビニのお菓子。
「最近カリスマ的な商品が出てこないよねぇ」
とピコちゃんと先日ボヤいたけど、
たまにこうしてヒットが出るとね、嬉しいわけです。

ところで、最近、キャッチコピーがだいぶ気になってます。
職業上、コピーをつくることが多いので、
通勤途中は広告ばっかり見ています。
ずっとキョロキョロしているので、
女性から変な目で見られることもあります・・・。

ちなみに、
「海老の華」のキャッチコピーは、
「さっくり、ソフトで香ばしい」
でした。
まぁ、たしかにそうです。
ソフトで香ばしい。
でも、
たぶん多くの人はこのコピーを見たところで、
このセンベイの感激は想像できないと思います。
もったいない!

ぼくはたまたま「海老の華」に出会ったからいいけども、
キャッチコピーやパッケージがもっと良かったら、
きっともっと多くの人がスーパーの中で、
このセンベイを選んでくるようになるのに・・・。

「本当にいいものは売れない」って言う人が、
なぜかぼくの周りでは多いのですが、
その理由は社会のシステムではなく、
こういうところにあるんじゃないかと思うこの頃です。
話しが横道にそれた(司馬遼太郎風)。

ともかく、キャッチコピーにせよグラフィックにせよ、
広告は、膨大な情報を毎日目にしている中で、
「お!」と思ってもらえる力を持ってないとなりません。
「人に何かを紹介するお手伝い」をさせてもらって、
つまりCINRAを立ち上げて、
今日でちょうど6年になりますが(いま気づいた!笑)、
日々その難しさを痛感します。
でも、素敵な商品やサービスの広告をつくって、
それに「お」って思って人が感動してくれたら、
こんなに嬉しいことはないなぁと思います。

どうも最近うまいコピーが出てこないので、
ちょっと勉強しよ、と思い読んだのがコレ。
meisakucopy.jpg
名作コピーに学ぶ 読ませる文章の書き方
直球タイトルですが、
これまでの素敵なキャッチコピーの広告を集めて、
その解説をコピーライターである著者の鈴木さんがしてくれる、というやつです。
この中でぼくが、
一番グっときたコピーを1つ引用(実際には引用の引用です)させていただきます。
もしも怒られたら、すぐ削除します。
ペットフードメーカーの広告のコピーで、
児島令子さん作。2004コピー年鑑でも受賞した作品です。

あなたがペットフードの宣伝のコピーをつくるとしたら、
どんなコピーにしますか?

児島さんは、こういうのをつくりました。
====
死ぬのが恐いから
飼わないなんて、
言わないで欲しい。
おうちを汚すから飼わないというなら、
犬はお行儀を身につけることができる。
留守がちだから飼わないというなら、
犬はけなげにも、孤独と向きあおうと努力する
かもしれない。貧乏だから飼わないというなら、
犬はきっといっしょに貧乏を楽しんでくれる。
だけど・・・死ぬのが恐いからって言われたら、
犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
いつかはいなくなる。でもそれまでは、
すごく生きている。すごく生きているよ。
たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
飼い主たちは、大変であつくるしくって、
幸せな時間を共有しているはず。
飼いたいけど飼わないという人がいたら、
伝えて欲しい。犬たちは、
あなたを悲しませるためにやっては来ない。
あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。
どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
預かってみるのは、人に与えられた、
素朴であって高尚な楽しみでありますよと。
====
これは、愛犬を亡くしてしまった人だけじゃなくて、
今犬を飼っている人、犬を飼いたいと思っている人にも、
相当グっとくるものなんじゃないかなぁと思います。
しかも、ペットフードの広告でこれをやるから、すごい。
企業の広報担当者だったら、このアプローチは思いつかないでしょう。
無類の犬好きというのもあるからか、
これがほんとにウマいなぁと、
本を開きながらボーっとしてしまったコピーでした。
「すごく生きているよ」が、もう、ずるい!
著者の鈴木さん曰く、
児島さんはこのように語っていらっしゃいます。
==
コピーって、企業の代わりになって書こうとしたらしんどいです。
ターゲットの気持ちを代表なんかして書こうとしてもしんどいです。
誰かの代わりにコピーを書くのはしんどいから、
誰の代わりにもならず、自分の気持ちでコピーにしていけたらいいな、
という野望を持ち始めてもう何年もたちます
==
うん、ぼくもそうしていきたいです。

2009.02.12

今年の目標!!!

今年の個人の目標として立てたことの1つ。
「週に1度はブログを書く」
・・・・はい、
すでに2月も中盤ですね。汗
はじめたら、もう二度と怠っちゃいけない気がして、
ずるずると来てしまった。
頼まれてもいないし、
そもそも義務的にやることじゃないわけだけども、
なんでそんなことをするかっていうと、
・忘れたくない
色んなことをすぐに忘れちゃうから、
書き留めておきたい
・発信したい
会社が向く方向や目指しているところを、
会議の時だけじゃなく、日常的に言葉にしたい。
で、社内外でなんとなく共有していたい
・応援してくれてる!
一部の人が「ちゃんと更新してくださいよ」と
 奇特にも言ってくださる
というわけです。
ってことで、
もはや半年以上放っておかれたこのブログ、
いちいち気張らず、ゆるめにいければと思いますー。

2008.05.19

ブッ飛びウィークの備忘録

先週一週間、
おそらく、記録的に忙殺された一週間だったのですが、
同時に、記録的に面白かった!
というのも、月から金まで、
毎日お酒を飲む機会があり(ぼくは相変わらずコーラ連発)、
楽しいというより、さすがにそれだけ色んなフィールドの人と話すと、
とても刺激的で、つまらないわけがないのです。
ぼくはすぐ過去のことを忘れてしまうので、
以下備忘録的に、客観的配慮のないテキストを流します。
●月曜日
<N出版勤務/元CINRAの重鎮スタッフとの久々に会う>
「CINRAはさ、色気が足りないよね」と言われ、ドキっとする。
以前、ぼくが敬愛する友人にも「CINRAはエロスが足りないよね」と言われた。
もちろん、これは性的な「エロ」の意味ではない。
人をひきつける魅力としてのエロス、色気である。
彼に言わせれば「色気」とは、
「90%の共感と10%のナンセンス」から成立するという。
彼の中では高田純次とGOOGLEがそれにあたるらしい。笑
ぼくはそれを転じて、
「媚びて媚びて、ギリギリのところで媚びない」と解釈してみる。
それは、とてもかっこいい仕事のスタンスだ。
●火曜日
<前にバイトしていたWEB会社の人たちと久々に再会>
とあるクリエイティブディレクターの人が酔っぱらってこう言う。
「やっぱりさ、『説得』じゃなくて『納得』なんだよ、いい仕事っていうのは」
これは名言。
お客さんを説得させるのは単なる自己満足。
納得してもらって、一緒に何かを生み出すのが
ビジネスの理想的な形なんだよなぁと学ぶ。
続けて、こうも言う。
「俺はさ、最高のクリエイティブっていうのは
消費者の想像力を喚起させるものなんだと思うんだよね」
押しつけの広告(=メディア)ではなく、
その商品なりサービスを訴える広告をきっかけに、
消費者・受け手がイメージを膨らます。
その、受け手なりの「解釈(=妄想)」のようなものができた瞬間に、
そのクリエイティブは受け手に強い影響を及ぼす。
うん、これも名言だ!
広告だってメディア制作だってアートだって音楽だって、全部同じこと。
「伝える」と「伝わる」の違いがここにあるわけです。
あぁ、まだまだだな〜。
●水曜日
<今exPoP!!!!!(CINRAの毎月のイベント)を手伝ってくれているI氏と>
相手が聞き上手すぎて、ぼくは自分のことばかりひたすらしゃべり、反省。
聞く技をもって身につけたいと、心に誓う。
でも、人に何かをしゃべると、
自分の考えが整理されるっていうのはあるよね、うん。
●木曜日
<以前お世話になったディレクターの方とランチ>
CINRAの次の一歩について、多大なるアドバイスをいただく。
キーワードは、マネジメント、海外、行政。
「求めよ、さらば与えられん」とはキリストの言葉。
いつもこうやって、後押ししてくれる誰かがいる環境であってほしい。
<その後、埼玉の若手アーティストのアトリエに取材>
久々に都会から離れ、電車に揺られて何もない
工場跡のアトリエに行く。
たくさんの作品が置いてあり、
まさにモノが生まれる瞬間、場所とは
こういうドキドキ感があるものなのだなぁと思った。
アーティストが日々何を考えているのか、
作品にどんな想いを込めているのか、
これを2時間くらいで4人分というのは、
図々しいにも程があるわけだけど、
皆本当に素晴らしい人たちでぼくらを受け入れてくれた。
アートは、間違いなくきているし、今後2,3年はこの波は衰えない。
この取材の編集は大変だけど、とてつもないパワーと、真剣である事の大切さを知る。
取材後は、アトリエ前でBBQ。
何の音もしない環境というのがとても久々で、
ボーっとしてみたら、なんだかとても心が安らいだ。
●金曜日
<毎月好例のCINRA社員飲み>
グダグダと男女の関係についての話しをしているうちに、
アートディレクター井手先生がペラっと1枚の紙を差し出す。
CINRAのメディアをいかにプロモーションしていくかという提案。
これをきっかけにみんながたくさんしゃべって、
4人で現状の問題把握と今やるべきことを、めちゃめちゃポジティブになる。
日々、とてつもない量の業務をこなしているわけで、
定期的にこういう時間があると、一気に共有できるから嬉しい。
井手君、マジありがとう。
●土曜日
<渋谷で街頭取材!>
次号のCINRA MAGAZINEの特集は「アート」がテーマ。
で、アートに対する意識調査をするべく、
青春の象徴であるエゴン・シーレの作品を2枚持ち、渋谷に繰り出す。
待ち行く若人たちに突如シーレの絵を見せ、
「どう思う?」と乱暴にぶつけてみる。
でも、やっぱりみんな黙りこくる。まぁ当然だよね。
俺だってそうだよ、ごめんなさい、と思いつつ、
最後、勇気を出してギャルに直撃。
そしたら出るわ出るわ。
「何コレ! 超キモいんだけど〜」
「鼻がマイケルジャクソンじゃね?」
「つーか何?これテレビ? 私テレビでちゃうの?」
渋谷の喧騒をぶっ倒し、
大声でリアクションがジャンジャンでてくる。
こりゃもう、この人たちは何かデカいことをやらかすな、と確信する。
アジアとか旅行行くより、よっぽど異文化交流です。
これ、映像で配信します。
7月20日に発行するんで、お見逃しなく!
さらにさらに、
その後、取材をした1人の青年から突然電話がかかってきた。
「あの絵、どうしても気になったんです、もっと詳しく教えて下さい」
彼は普段、絵には興味がなく、美術館にも行かないんだという。
でも、いきなり絵を見させられて、数分の街頭取材が終わった後、
ずーっとその絵のことが頭から離れず、
気になって電話をかけてきたのだという。
電話を切る直前、
「今日、インタビューしてもらえてよかったです。今度、美術館とか行ってみます」
と言ってくれて、
もうぼくはこの特集の任務が完了したような気になって、悦に入る。
最高だよ、青年。
ありがとう!
<その後知人の演劇の公演にて、
 アフタートークのゲストに呼んで頂き、しゃべる>
人前でしゃべるっていうのは、
やっぱり取材をするのとは全く違うんです。
いやぁ、場を盛り上げるって、大切だよね。
周りは良かったと言ってくれたけど、65点くらい。
公演は、最高だったよ、篠田さん。
ダラダラと書きなぐっちゃったけど、
書いているうちに記憶が蘇ってくるから不思議。
もらった栄養は、忘れちゃいけませんもの。

2007.11.28

恩師の声は、圧倒的に愛だった。

ぼくには恩師と呼べる人が二人いて、
その中の一人にオキザキ先生という人がいます。
国語の先生で、中学生当時、今のぼくと同じ25歳くらい。
外で遊んだり、ゲームをしてばっかりいたぼくがやたらと本を読むようになったきっかけは、今思えばこの人だったのかもしれないと思います。
最終的に自分が教育の分野に携わりたいと思っているのも、この人のおかげかもしれない。
人生のこと、恋愛のこと、生きること、死ぬこと、
色んなことを、放課後にわざわざ時間をとってもらって教えてもらいました。
今日、ちょっと大事な用事があって、
ネットで検索をして連絡先をつきとめ、電話をしてみた。
もう先生は学校にはいなくて、
京都で幼稚園の園長と牧師を兼任しているらしい。
電話の向こうから、
10年前と変わらず元気の良い声で「もしもし!」と聞こえてきたときには、
仕事ではりつめている緊張感がフニャーンと崩れてしまいました。
いっつも元気が良く、
人のことばっかり気にして、
たくさんのわらじを履いて、
今日も徹夜でやることがあるらしかった。
京都のはずれで、毎日子供と接して、
3人の子供に恵まれていて、
身近でささいなことにも、全身全力で向き合うその暮らしを聞いて、
今のぼくの暮らしというか、
日々考えていることと根本的な価値観のギャップを感じ、
なんだか奇妙な心持ちでした。
先生は、30代半ばの今もやっぱり毎日アツく、圧倒的に愛でした。
本当の教育者とはその存在が愛なのだと思い、
教育者に関わらず、人間とは、つまるところ愛なのだと、
とんでもなくクサくて、日々そんなこと考えてたら仕事できねーよ、
っていう現実と真実のギャップに、葛藤し続けることを決めた30分の電話でした。