04 BOOK

2009.03.02

海老の華のキャッチコピー

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海老の華
ぼくはあんまりセンベイが好きじゃないんですが、
これは、ほんと止まりません。
ネットで調べたら、
やっぱり知っている人は知っているようで、
ブログでもちょこちょこ話題になっていました。
コンビニのお菓子。
「最近カリスマ的な商品が出てこないよねぇ」
とピコちゃんと先日ボヤいたけど、
たまにこうしてヒットが出るとね、嬉しいわけです。

ところで、最近、キャッチコピーがだいぶ気になってます。
職業上、コピーをつくることが多いので、
通勤途中は広告ばっかり見ています。
ずっとキョロキョロしているので、
女性から変な目で見られることもあります・・・。

ちなみに、
「海老の華」のキャッチコピーは、
「さっくり、ソフトで香ばしい」
でした。
まぁ、たしかにそうです。
ソフトで香ばしい。
でも、
たぶん多くの人はこのコピーを見たところで、
このセンベイの感激は想像できないと思います。
もったいない!

ぼくはたまたま「海老の華」に出会ったからいいけども、
キャッチコピーやパッケージがもっと良かったら、
きっともっと多くの人がスーパーの中で、
このセンベイを選んでくるようになるのに・・・。

「本当にいいものは売れない」って言う人が、
なぜかぼくの周りでは多いのですが、
その理由は社会のシステムではなく、
こういうところにあるんじゃないかと思うこの頃です。
話しが横道にそれた(司馬遼太郎風)。

ともかく、キャッチコピーにせよグラフィックにせよ、
広告は、膨大な情報を毎日目にしている中で、
「お!」と思ってもらえる力を持ってないとなりません。
「人に何かを紹介するお手伝い」をさせてもらって、
つまりCINRAを立ち上げて、
今日でちょうど6年になりますが(いま気づいた!笑)、
日々その難しさを痛感します。
でも、素敵な商品やサービスの広告をつくって、
それに「お」って思って人が感動してくれたら、
こんなに嬉しいことはないなぁと思います。

どうも最近うまいコピーが出てこないので、
ちょっと勉強しよ、と思い読んだのがコレ。
meisakucopy.jpg
名作コピーに学ぶ 読ませる文章の書き方
直球タイトルですが、
これまでの素敵なキャッチコピーの広告を集めて、
その解説をコピーライターである著者の鈴木さんがしてくれる、というやつです。
この中でぼくが、
一番グっときたコピーを1つ引用(実際には引用の引用です)させていただきます。
もしも怒られたら、すぐ削除します。
ペットフードメーカーの広告のコピーで、
児島令子さん作。2004コピー年鑑でも受賞した作品です。

あなたがペットフードの宣伝のコピーをつくるとしたら、
どんなコピーにしますか?

児島さんは、こういうのをつくりました。
====
死ぬのが恐いから
飼わないなんて、
言わないで欲しい。
おうちを汚すから飼わないというなら、
犬はお行儀を身につけることができる。
留守がちだから飼わないというなら、
犬はけなげにも、孤独と向きあおうと努力する
かもしれない。貧乏だから飼わないというなら、
犬はきっといっしょに貧乏を楽しんでくれる。
だけど・・・死ぬのが恐いからって言われたら、
犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
いつかはいなくなる。でもそれまでは、
すごく生きている。すごく生きているよ。
たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
飼い主たちは、大変であつくるしくって、
幸せな時間を共有しているはず。
飼いたいけど飼わないという人がいたら、
伝えて欲しい。犬たちは、
あなたを悲しませるためにやっては来ない。
あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。
どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
預かってみるのは、人に与えられた、
素朴であって高尚な楽しみでありますよと。
====
これは、愛犬を亡くしてしまった人だけじゃなくて、
今犬を飼っている人、犬を飼いたいと思っている人にも、
相当グっとくるものなんじゃないかなぁと思います。
しかも、ペットフードの広告でこれをやるから、すごい。
企業の広報担当者だったら、このアプローチは思いつかないでしょう。
無類の犬好きというのもあるからか、
これがほんとにウマいなぁと、
本を開きながらボーっとしてしまったコピーでした。
「すごく生きているよ」が、もう、ずるい!
著者の鈴木さん曰く、
児島さんはこのように語っていらっしゃいます。
==
コピーって、企業の代わりになって書こうとしたらしんどいです。
ターゲットの気持ちを代表なんかして書こうとしてもしんどいです。
誰かの代わりにコピーを書くのはしんどいから、
誰の代わりにもならず、自分の気持ちでコピーにしていけたらいいな、
という野望を持ち始めてもう何年もたちます
==
うん、ぼくもそうしていきたいです。

2006.09.18

ライブドア監査人の告白

連休に入っていた予定がことごとく中止になって(最近こういうのばっかだな、笑)、比較的ゆったりした時間が過ごせた。
ぼくはケーキが大好きで、色んなところに行く(たまに正直に、気持ち悪いと言ってくれる人もいる、笑)。
近所にある「CONCeNT」というお店は、3本の指に入ります。
斜に構えた気取りがなく、ただただおいしいケーキ。
いちごタルトとモンブランをほおばる。幸せすぎる・・・
CONCeNT
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それから、読み途中だった『ライブドア 監査人の告白』を読み終えた。
2004年以降のライブドアの動きを監査人の目から見た、カミングアウト本。
実際あのときどういう仕組みで事件にまで至ったのかをちゃんと理解できていなかったけど、事件前からさかのぼって詳細に書かれている。著者にロジカルな文才もあって普通に面白かった。
会社をやっているにも関わらず、大企業の会計監査というものがどんな仕組みで行なわれているのか全く無知だったから、勉強にもなった。
バリバリの先入観で、「会計士」とか「監査人」ってお金が儲かるクールな職業をイメージしていたけど、中にはとんでもなくアツい人もいるみたいだ。やっぱりどんな業種だって根本は一緒なのですね。
こういう色々な思いを知ると、やっぱり自分に返ってきて、ゴニャゴニャと考える。
cinraを立ち上げた当初の思いに立ち返って、何がやりたくてここまで来て、この先どんなかんじでやっていこうかなぁとツラツラとメモする。うん、面白くなりそうだ。
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