2006.01.24

堀江さんについて考える

堀江さんが逮捕された。
20億円くらいちょこっと書き換えて、6000億円なくなって、自分は逮捕された。堀江さんの今までの動きを考えてみると、なんだか夢のようだ。映画みたいな話しだ。あまりにも、できすぎた話しだ。そもそもこの事件の発端が明かされないから、たぶん告発なんだろうな。きっとたくさんの人に憎まれていたんだろう。
法に触れたわけだから仕方がないけど、ネット上では彼を擁護する声が圧倒的だ。
彼が違法行為を行なったその罪以上に、日本経済が抱えている根源的な「罪」が大きいからだ。
堀江さんはどんなやり方であれ、窒息しそうなほど既得権益でベトついてしまった日本経済をひっくり返そうとしていたわけだ。それはものすごく孤独で、勇気のあることだったと思う。
企業買収による企業の拡大は、アメリカではそんなに珍しいことではないらしい。日本では様々なベトつきが資本主義の持つ「自由経済」を隠蔽してきた。本当の意味で「金もってる奴が勝ち」のシステム。時価総額と株価が第一の社会。
資本主義システムに人間が「?」を持つようになるには、まずは現状の化けの皮をはがす必要がある。その皮の下には、じゃんじゃん吸収されて、人間味なんてこれっぽっちもないような弱肉強食の経済システムが隠れている。堀江さんはそういう社会にしようとしていたんだろう。団塊の世代がもう少しで引退する、そういうタイミングで。
何者でもないぼくは、それを「通過点」として、素晴らしい活躍だと思っていた。
堀江さんが目指した社会の後に来る、新しいパラダイムシフト。資本主義でも、共産主義でもない経済システムを求める時代。そんなロマンが少し、遠のいた。
堀江さんは、しばらくの間タタミ3帖の暖房のない、外気とほぼ同じくらいの寒さのところで過ごすらしい。いいものを食べて脂でピカピカしていた顔が、カピカピになるだろう。裸にされて屈辱を味わい、「一般人」にガツガツ尋問されるだろう。感情の触れ幅が激しすぎて、目盛りが飛んでしまうくらいのダイナミクスだ。そんな経験は普通じゃできない。不謹慎ながら、ちょっとだけうらやましいとさえ思えてしまう。
すごい人っていうのは、ぼくみたいな何者でもない人間から、まるで同じポジションにいるかのように偉そうに語られてしまう人のことだ。堀江さんは、すごい人だった。
●today’s BGM:かせきさいだぁ/冬へと走り出そう・再び
冬の名曲。
FISHMANSしかり、90年代のすげぇ日本人ミュージシャンはなぜかみんな同じ匂いをしている。キラキラしておる。

冬へと走り出そう・再び

画像をクリックすると、iTunesが立ち上がって試聴できるよ。
さらに、購入するといくらかぼくのお財布に入ってくるよ。
興味本位にはじめてみました。