2009.11.07

ヘヴン

最近はもっぱらtwitterでつぶやくばっかりに、
ブログ・mixiは放っぽり気味。

 
http://twitter.com/ta1

 

先月の連休、
川上未映子氏の『ヘヴン』を読む。

 

 


heaven.jpg
 

 

装丁がかっこいい。
by鈴木成一デザイン室。

 

いじめっていうのは、
最近はだいぶ遠い話しになってしまったけど、
これはなかなかに胸が苦しい。

 
テーマは善と悪。
つまり、重い。。。

 
でも、流行ってるから読んでみる。
ここ、大事。

 
いじめを切り口に
「善と悪」について考える作品なんだけど、
いじめでもなんでも、
善と悪を問題にしようとする場合、
被害者の立場から語られることが多い。

 
いじめの被害者とか、
冤罪の被害者とか、
強姦の被害者とか。
加害者の立場から語られることって、あんまりない。

 
せいぜい、
「殺したいと思ったから殺したんです」
とかいう、加害者のバックグラウンドを完全消去するような、
短絡的な報道くらいなもの。
それじゃ、善悪の問題は何も解決されない。
ただ、同情を喚起させるだけで、すぐに忘れ去られる。

 
この小説では、
悪(いじめ)の加害者からの言い分というのもあって、
それが一見して非の打ち所のない論理だから、
読む人に善悪について考えるきっかけを与えてくれる。

 
結局のところ、善と悪は、
自分と他者との「想像力」の問題であって、
法律の問題ではない。

 
ということで、
この作品の広告にやたらと書かれているような、
「涙がとめどなく流れる」わけでもないし、
「圧倒的感動!」でもないし、
「驚愕と衝撃!」でもないんだけど、
自分は好きでした。
ふー、重いな。笑