2008.05.19

ブッ飛びウィークの備忘録

先週一週間、
おそらく、記録的に忙殺された一週間だったのですが、
同時に、記録的に面白かった!
というのも、月から金まで、
毎日お酒を飲む機会があり(ぼくは相変わらずコーラ連発)、
楽しいというより、さすがにそれだけ色んなフィールドの人と話すと、
とても刺激的で、つまらないわけがないのです。
ぼくはすぐ過去のことを忘れてしまうので、
以下備忘録的に、客観的配慮のないテキストを流します。
●月曜日
<N出版勤務/元CINRAの重鎮スタッフとの久々に会う>
「CINRAはさ、色気が足りないよね」と言われ、ドキっとする。
以前、ぼくが敬愛する友人にも「CINRAはエロスが足りないよね」と言われた。
もちろん、これは性的な「エロ」の意味ではない。
人をひきつける魅力としてのエロス、色気である。
彼に言わせれば「色気」とは、
「90%の共感と10%のナンセンス」から成立するという。
彼の中では高田純次とGOOGLEがそれにあたるらしい。笑
ぼくはそれを転じて、
「媚びて媚びて、ギリギリのところで媚びない」と解釈してみる。
それは、とてもかっこいい仕事のスタンスだ。
●火曜日
<前にバイトしていたWEB会社の人たちと久々に再会>
とあるクリエイティブディレクターの人が酔っぱらってこう言う。
「やっぱりさ、『説得』じゃなくて『納得』なんだよ、いい仕事っていうのは」
これは名言。
お客さんを説得させるのは単なる自己満足。
納得してもらって、一緒に何かを生み出すのが
ビジネスの理想的な形なんだよなぁと学ぶ。
続けて、こうも言う。
「俺はさ、最高のクリエイティブっていうのは
消費者の想像力を喚起させるものなんだと思うんだよね」
押しつけの広告(=メディア)ではなく、
その商品なりサービスを訴える広告をきっかけに、
消費者・受け手がイメージを膨らます。
その、受け手なりの「解釈(=妄想)」のようなものができた瞬間に、
そのクリエイティブは受け手に強い影響を及ぼす。
うん、これも名言だ!
広告だってメディア制作だってアートだって音楽だって、全部同じこと。
「伝える」と「伝わる」の違いがここにあるわけです。
あぁ、まだまだだな〜。
●水曜日
<今exPoP!!!!!(CINRAの毎月のイベント)を手伝ってくれているI氏と>
相手が聞き上手すぎて、ぼくは自分のことばかりひたすらしゃべり、反省。
聞く技をもって身につけたいと、心に誓う。
でも、人に何かをしゃべると、
自分の考えが整理されるっていうのはあるよね、うん。
●木曜日
<以前お世話になったディレクターの方とランチ>
CINRAの次の一歩について、多大なるアドバイスをいただく。
キーワードは、マネジメント、海外、行政。
「求めよ、さらば与えられん」とはキリストの言葉。
いつもこうやって、後押ししてくれる誰かがいる環境であってほしい。
<その後、埼玉の若手アーティストのアトリエに取材>
久々に都会から離れ、電車に揺られて何もない
工場跡のアトリエに行く。
たくさんの作品が置いてあり、
まさにモノが生まれる瞬間、場所とは
こういうドキドキ感があるものなのだなぁと思った。
アーティストが日々何を考えているのか、
作品にどんな想いを込めているのか、
これを2時間くらいで4人分というのは、
図々しいにも程があるわけだけど、
皆本当に素晴らしい人たちでぼくらを受け入れてくれた。
アートは、間違いなくきているし、今後2,3年はこの波は衰えない。
この取材の編集は大変だけど、とてつもないパワーと、真剣である事の大切さを知る。
取材後は、アトリエ前でBBQ。
何の音もしない環境というのがとても久々で、
ボーっとしてみたら、なんだかとても心が安らいだ。
●金曜日
<毎月好例のCINRA社員飲み>
グダグダと男女の関係についての話しをしているうちに、
アートディレクター井手先生がペラっと1枚の紙を差し出す。
CINRAのメディアをいかにプロモーションしていくかという提案。
これをきっかけにみんながたくさんしゃべって、
4人で現状の問題把握と今やるべきことを、めちゃめちゃポジティブになる。
日々、とてつもない量の業務をこなしているわけで、
定期的にこういう時間があると、一気に共有できるから嬉しい。
井手君、マジありがとう。
●土曜日
<渋谷で街頭取材!>
次号のCINRA MAGAZINEの特集は「アート」がテーマ。
で、アートに対する意識調査をするべく、
青春の象徴であるエゴン・シーレの作品を2枚持ち、渋谷に繰り出す。
待ち行く若人たちに突如シーレの絵を見せ、
「どう思う?」と乱暴にぶつけてみる。
でも、やっぱりみんな黙りこくる。まぁ当然だよね。
俺だってそうだよ、ごめんなさい、と思いつつ、
最後、勇気を出してギャルに直撃。
そしたら出るわ出るわ。
「何コレ! 超キモいんだけど〜」
「鼻がマイケルジャクソンじゃね?」
「つーか何?これテレビ? 私テレビでちゃうの?」
渋谷の喧騒をぶっ倒し、
大声でリアクションがジャンジャンでてくる。
こりゃもう、この人たちは何かデカいことをやらかすな、と確信する。
アジアとか旅行行くより、よっぽど異文化交流です。
これ、映像で配信します。
7月20日に発行するんで、お見逃しなく!
さらにさらに、
その後、取材をした1人の青年から突然電話がかかってきた。
「あの絵、どうしても気になったんです、もっと詳しく教えて下さい」
彼は普段、絵には興味がなく、美術館にも行かないんだという。
でも、いきなり絵を見させられて、数分の街頭取材が終わった後、
ずーっとその絵のことが頭から離れず、
気になって電話をかけてきたのだという。
電話を切る直前、
「今日、インタビューしてもらえてよかったです。今度、美術館とか行ってみます」
と言ってくれて、
もうぼくはこの特集の任務が完了したような気になって、悦に入る。
最高だよ、青年。
ありがとう!
<その後知人の演劇の公演にて、
 アフタートークのゲストに呼んで頂き、しゃべる>
人前でしゃべるっていうのは、
やっぱり取材をするのとは全く違うんです。
いやぁ、場を盛り上げるって、大切だよね。
周りは良かったと言ってくれたけど、65点くらい。
公演は、最高だったよ、篠田さん。
ダラダラと書きなぐっちゃったけど、
書いているうちに記憶が蘇ってくるから不思議。
もらった栄養は、忘れちゃいけませんもの。