2006.08.01

贅沢な週末

まず、土曜日。
早速「ゲド戦記」を観に行った。
六本木のヴァージンシネマはネットで座席を指定しながら予約できるので、並ばなくてすんだけど、会場は満杯。
えーっと、これ、駄作です。
「平成狸合戦ポンポコ」よりもダメです。
ジブリ信者なのでたいてい何やっても肯定しちゃうんだけど、今回だけはしょうもなかった。なんすかこれは・・・。
どこをどう切り取ってもいい要素がありませんでした。
原作が宮崎駿の「シュナの旅」(ナウシカの前に駿さんが書いた漫画です。短編の。)ってエンドロールで流れてたけど、そんなはずはないよ。「ゲド戦記」だし。鈴木さん、プロデューサーとしてそろそろ世代交代のために動かないとならないのはよく理解できるけど、これはないと思います。
そんな悲しみを背負いながら森美術館の「アフリカ・リミックス展」を観に行く。
植民地時代に被植民地となったアフリカ諸国の表現が、欧米の現代美術のコンテクストに乗せたときにどうしても皮肉なアイデンティティーになってしまうというのは、それこそがアイロニーだと思う。
そういう、欧米諸国が思う「アフリカ」に迎合するようなエキゾティズム的な作品もあれば、逆にすでにその呪縛から解放された”自由な”作品もあった。
ひるがえって日本のことを考えないわけにはいかない。
アフリカ展を見て思うのは、”アフリカ”を表現する際に作者にまで西欧人的な「アフリカ」がステレオタイプとして埋め込まれてしまっているということで、それはもしかすると日本でも同じなのではないかと思う。
日本でも、欧米諸国の現代美術のコンテクストにのせる時に、未だどうしてもある種のオリエンタリズムやジャポニズム的なフィルターがかかっているのではないか。会田誠や村上隆を筆頭に、そういう「異国情緒」的な観点でしか面白がられないというのは、それ自体構造的な問題でもあるし、作家自体が無意識的にでも、戦略的にでもそれを意識してしまうということは、なんとも古いなぁと思ってしまう。ここは相当反論がありそうだけど・・・
さて、長くなっちゃうから、話しは日曜日に。
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土曜日の夜中から苗場へ出発。
FUJI ROCK FESTIVAL 2006であります!
正直、出演するアーティストは半分くらいしか重要ではない。
この空間に身を置くことが何よりの至福なわけです。
天気も前日までとはうってかわり晴天!
それまでの雨のおかげで湿気もあって、空気がうまい。
気持ちがよすぎます。
まずは朝から”GUITAR WOLF”。彼らのライブには高校生の頃にしょっちゅう行っていたんだけど、7,8年たった今でもパフォーマンスからやる曲から、何も変わらない。それがまた、なんとも心強く思う。
次、”らぞく”。
これが今回のベストだった。この人達、最高でした。
はじまった時にはポツポツだったお客さんも終わる頃にはほぼ満杯に。BECK(漫画の方)さながらの展開でした。
実はこのバンド、自分がバンドをやっていたときに下北屋根裏の店長から「君ら、らぞくと一緒にやってみたらどうよ?」とか言われていたのがずっと残っていて、気になっていたんだけど、畏れ多いです。ほんとにすばらしいスリーピースバンドだった。
そして、飯をたらふく食べたところで木陰でお昼寝。
幸せすぎます。これは。
一休みが終わったら”フィッシュマンズ”へ。
会場満杯です。ぎゅうぎゅうでした。
ぼくは佐藤さんがいた頃のフィッシュマンズのライブを観たことがない。それが悔しくなったり、すごい幸せな気分になったりで、よくわからないけど泣きそうになる。ボーカルには原田郁子、ハナレグミ、キセル、bonobos、UAなどなどが登場。最後の永積さんのナイトクルージングは最高でした。
その後は”ラカンターズ”→”ストロークス”→”HAPPY MONDAYS”の流れ。HAPPY MONDAYS、最高でした。
何を観たかより、それも含めて何に楽しんだかの方が全然重要なのがフェスだと思うけど、とりあえず今日はこの辺で。