2006.06.29

カルティエ財団の展覧会

ワールドカップは散々でした。客観的に見て、日本は弱小です。どんな想いがあろうとも、弱小です。
だからこそ、最後の中田のピッチでの座り込みはなんとも感慨深かった。中田のプレーは4年前よりもあきらかにレベルアップしていたし、逆にこの最高のコンディションでのぞめるW杯は彼にとって最初で最後だったんだろうな、と思う。
あとは他の試合を存分に楽しもう。ブラジル、ドイツ、フランス、アルゼンチン・・・すげぇことになってきた〜。
さて、cinraはというと、cinra magazine vol.10の制作の佳境で人間的な暮らしができずにおりました。笑
こりゃまたいいかんじで仕上がってます。今回は色んな試みをやってます。いやぁ、みんなおつかれさまでした。こうやって自分が納得いくものをつくることができて、それを社会に発信できるという事はほんとに幸せなことです。7月20日発行ですのでお楽しみに〜。
ってことで、今週はやっと落ち着いて色んなことを考えています。
今日は仕事を抜け出し(?)東京都現代美術館でやっているカルティエ現代美術財団の展覧会に行って来た。ずっと行きたかったんだけど、今週末に終わっちゃうのでもう今日しかない! ってことで衝動的に飛び出しました。
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この展示は、もしかすると今年に入って一番よかったかもしれない(久しぶりに行った展覧会だったからかもしれないけど・・・)。カルティエの収蔵作品展ということで、キュレーションが光っていたというわけではなく、むしろ展覧会としてのまとまりはよろしくない方かもしれないけど、作品が1つ1つすごくよかったと思う。
平面作品よりは、立体と映像作品が特別光っていた。
特に広告でも使われていたロン・ミュエクのデッカい女性の立体作品「イン・ベッド」や、会場入ってすぐのライザ・ルーのビーズでつくられた裏庭のオブジェ「裏庭」(個人的にはこれがベスト)、リチャード・アーシュワーガーの「?」の立体作品、そして川内倫子のスライド映像「チュ・チュ」。
作品はwebでも一部見れます。画面上だと全然良さが伝わらないけど・・・。
カルティエ現代美術財団コレクション展
それから、タチビの広告で使われていたり、2005年のシェル美術賞でも入選していた松井えり菜氏。1984年生まれなんだけど、カルティエコレクションとして収蔵されているらしく展示されてました。2つ下だよなぁ・・。
まだ行ってないけど行きたいなぁと思っていた人は絶対に今週末に行くべきだと思います。ボリュームもすごいです。全部見るのに2時間以上かかった。
見ている途中も、見終わってからも、なんで自分がいいと思ったのか、色々と考えてみる。
例えば、メディアアートと現代美術の作品を見るときのスタンスというのは、なんとなく違う。何をもって「いい!」とするのかのスタンダードがちょっと違う。それがいいか悪いかは別として、この展覧会を「いい!」と思ったのは両者のどちらでもなかった。
展覧会としてどうのこうのということではなくて、あくまで作品単位の「いい」だったから1つ1つ言及するのはよしとこう。でも、おそらくざっくり言ってしまえば「日常のアンバランスさ」というところなのだと思う。自分が生きている世界が実はキワキワのバランスで成立していて、何か異変があったときに(もしくは見方を変えたときに)、それが夢のような世界になったり、一瞬にして悲しみにおおわれたりという、そういうアンバランスさ。
自分が普段やたらと依存している日常が、それほどまでにいい加減なんだということを、視覚的にとても美しい形で知覚させるという、そんな「いい」だったと思う。
あ、この東京都現代美術館(MOT)の学芸員の長谷川祐子さんのインタビューが次号の7月20日発行のcinra magazine vol.10に掲載されてます。金沢21世紀美術館を立ち上げた方でもあります。こちらも是非是非。
あぁ、また長くなっちゃった。
もっと短くして、頻繁に更新すりゃいいんだよな。
何回そう思ってるかわからんわい。