2006.04.01

Hotwired Japan一時休刊&高校3年生の齢

長年テクノロジー・サイエンス系のニュースで素晴らしい情報を発信していたwebサイト、Hotwired Japanが、3/31をもって休刊した。復刊時期は未定。。。
ぼくがweb上でニュースサイトをしっかりチェックしたのは、ここがはじめてだったかもしれない。高校3年生の頃に知って、以後5年間、ずっと楽しみに購読していた。
ホットワイアードジャパンの編集長の江坂さんとは、その頃に少しだけやりとりをさせてもらったことがある。一身上の都合で生徒会長というものをやっており、担当の先生が「講演会でもやりましょう、誰か呼びたい人いる?」ということで、ぼくは作家の宮内勝典さんに連絡をとろうとおもった。
ちょうどその時に買った”STUDIO VOICE”(タイトルが「ぼくらの智慧の果てるまで」っていうやつ)の巻頭インタビューで宮内さんのインタビューが掲載されていた。その記事に胸を打たれて、なんとかコンタクトがとれないかと思って「宮内勝典」で検索すると、WEB上にも宮内さんのインタビューが載っていて、そのインタビューの発行元にメールをしたのだ。うちの高校に講演会に来てくれませんか?って。
そのメールがNYにいる江坂さんの元に届いた。江坂さんは元STUDIO VOICEの編集長。とても快く、本人もきっと喜ぶと思いますよ、ということで宮内さんを紹介していただいた。
で、講演会が実現。
勝手に物事を進めて校長先生にはちょっと怒られたけど、とてもいい講演をしていただいた。
その後、宮内さんのWEBサイト「海亀通信」のBBSに参加した。
「世界平和と言うけれど、目の前で自分の大切な人を殺されたとしたら、ぼくはその人を殺してしまうかもしれないと思います。どうすればいいのでしょう」
というようなとんでもなく不躾で、およそ答えの見つかるはずもない書き込みをした。
今になってみれば当時の「こんな質問をインターネットじゃしちゃいけない」というある方の意見がわかるけど、その時当人は真剣度120%。
これに対して宮内さんはもちろん、お知り合いの芥川賞作家の方々まで意見をくださったのを覚えている。とても丁寧なお言葉で、しょうもない高校生の質問に答えてくださった。あの頃から比べれば、インターネットのコミュニケーションの在り方もずいぶん変わったと思う。
そのやり取りはその後、書籍化した。
おまけに、この質問に対する宮内さんの考えが書かれている部分が、高校生の国語の教科書に採用された。
掲示板を見ると、高校生たちがあの頃のぼくと同じように、とても純粋な書き込みをしている。
そんなやり取りがあって、その後色々と紆余曲折してぼくは今cinraをやっているんだけど、たぶん根っこの部分に、宮内さんと江坂さんがいる。
自分が動けば何かができる。それをはじめて実感したのがその頃だった。その素晴らしい受け皿を用意してくれた先輩方に、感謝です。自分も常にそうありたいと思う。
ちょっと昔に戻りすぎたな。
Hotwiredの復刊を楽しみにしてます。